読書備忘録

海と船と人の博物史百科
作者: 佐藤快和
出版社: 原書房

宮城県は塩釜出身で元ヨットの国体選手という著者の本です。大航海時代はもとより様々な海や船に関する項目を扱っており、読むタイプの本です。

話題は多岐にわたっていて、それこそフライングダッチマンやら、三陸津波季節風からオーストラリアのグレートバリアリーフが暗礁として船乗りに有名だったことなどなど。
江戸期の日本人漂流の話では、欧米の船に助けられても洋食に辟易したが中国人のコックが乗っていると米食を食べれてというエピソードでは、大陸横断鉄道で有名な中国人労働者のみならずこういう分野でも進出していたのかと感じました。
海事に興味ある方にはお勧めです。著者自身の体験を基にした文章は貴重でその海や船に対する愛を感じられます。

で、コロンブスの表記はイタリア語ならコロンボスペイン語ならコロンでコロンを使うとかヘンリケ航海王子も英語風にヘンリー航海王子ではなくエンリケでとおしてたり人名表記に結構こだわってますが、なぜかあっさりザビエルはザビエルのままなのはいったいなんでなんでしょうか?彼はナバール王国人ですよ。

評価B