かなり良い。
主に英米法というよりイングランドにおける事例を元に現代のネット社会への考察を進めており、法社会学的な話題を軽い調子で論述しています。
トーリー党ホイッグ党の対立のところも「スチュアート家に栄光あれーっ!」と「国王なんて飾りです。トーリーの連中にはそれがわからんのですよ」などと。あとは現在私たちが当然のことだと思っている諸権利が実は社会によってはそもそも認められてないとかを譬え話で説明しています。
著作権だとか、名誉毀損だとか具体的なお話はほとんどなく、法とは何か、法源について(もっとも法源という言葉自体は使っていませんが)法と政治、法の運用についてなどについてメインです。

この本を読んでも具体的に役立つような事は書いてありませんが、有効な無駄として、さまざま法律問題の奥まで考察するための議論の出発点としてはお勧めできます。

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