読書備忘録

超エロゲー

超エロゲー

英国の史家でエリック・J・E・ホブズボームという人がいます。1917年生まれと、分かる人には分かる話をするとアーサー・C・クラークと同年生まれです。WWIIに士官として参戦してるところも共通しますが、それに関しては同年代の英国人でそれなりの教育を受けてる人の共通項でしょうか。
でそのホブズボームが、うろ覚えですが「私は人類が今まで、性的快楽に関して試していないことがあるとは到底信じられない」とか言ってます。

この本を読むにその意見もうなずけました。

いかんせん、この分野の基礎教養が欠けると自覚があるので、購入してみました。
8bit時代からの20年程度を、個別のゲームを叙述することを通じ総覧しています。合間に開発者へのインタビューや著者達の座談会がはさまれてる感じです。
光栄(現KOEI)やエニックス(現スクウェア・エニックス)が出してたエロゲー、とりわけロリーター・シンドロームなどはど真ん中直球過ぎて頭がクラクラします。いまだゲーム業界がカオスに溢れてた古きよき時代ですね。

で最後はヴァリスXの紹介で終わります。ゲーム内容はまったく知らないが聞いたことがあるゲームが結構でてきて勉強になりますた。少なくとも、AirKANONTo Heart の違いは区別できるようになりました。

難としては、エロゲーに関してのハード的な考察がないこと。カセットテープ、FD、CD、DVDと供給メディアの変遷とくに、CDはかなりのブレイクスルーだと思うんですがそこあたりが軽く言及されてるだけなこと。あとエロゲー以外のゲームの影響、卒業、かまいたちの夜あたりは決定的な影響をエロゲーにも与えてるような気がするのですが、どうなんでしょう?(ときメモも加えていいかもしれません)

この道の人からすると突っ込み所満載かもしれませんが、素人がオーヴァーヴューするにはよかったです。

評価 B