読書備忘録

アイの物語

アイの物語

そういえば読んだのは去年でしたがここでは触れてなかったと思うので。
この作品のテーマを一言で言えば、人工知能で副次的には現実でしょうか?

アンドロイドから主人公が物語りを聞く、という形式で語られるため相互の物語はあくまで別個の物語でインターミッションで主人公とアンドロイドが対話をします。
個人的に気に入ったのは「詩音の来た日」、2030年代で試作型女性型介護アンドロイドの詩音が主人公です。そのアンドロイドを造った会社の社長が筋金入りのおたくで、名前は本当は「マ」のつくのにしたかった云々という小ネタもあります。形式番号はやっぱりHMX-12なんでしょうか?登録商標になってさえなければ製品化しても問題ないでしょうし、まあ試作品ならなおさら。その会社の名前の悪の組織っぽいからというしょうもない名前で決まってます。
介護の現場感は結構でてるかなと思います。また詩音が人間らしい反応ができずといありがちな所から始まりますが落としどころはありがちな展開ではないです。

物語とは?現実とは?あとついでに主体性はそんなに自明なのか?とか色々興味深かったです。

評価 S