読書備忘録

アレクサンドロスの征服と神話 (興亡の世界史)

アレクサンドロスの征服と神話 (興亡の世界史)

生ける伝説。という言葉がもっとも似つかわしい歴史上の人物は、私がえらぶならアレクサンドロス大王です。
20そこそこで戦争で一部隊を率い、父であるフィリッポス暗殺後の混乱を収めペルシア帝国全土を征服。これをほんの10年程度で行っています。
時間あたりで見ると空前絶後といえるかもしれません。(モンゴルは微妙なライン?ロシアのシベリア征服はさすがにノーカン)
プルタルコスやらの現存する5つの史料を紹介比較していたり、その史料の元となったと思われる失われた史料についても言及があったりというのはこの手の一般向け書籍では珍しいかと。

いかにアレクサンドロス「生ける伝説」となったのか?無論周りからそう見られるというのはありますが、彼の場合では自身が伝説となる事を望んでいたことなどが語られます。
有名なゴルディオンのゴルディアスの結び目のエピソードも、いかに伝説が読み替えられたかというのを丁寧に叙述しています。またありきたりなヘレニズムとはちょっと違う本です。
また参考史料やお勧めの本や映画なども充実。
世界史に興味があるならかなりお勧めです。

評価A