捏造

ひねくれ者なためか、何がどうであったか?というより、何がどう考えられていたか?
とかの方に結構興味があります。
具体的には捏造の歴史とか、具体例をあげると。それこそジンギスカン義経説とかヒトラーの妄想的なアーリア人史観。あるいは広い意味でとれば欧州人が自称するギリシアローマの嫡流としての欧州など。
あるいは医学史なども興味深いです。そもそも解剖学的に正確な人体など精々500年の歴史もありません。それまで人間の内臓とかはもうかなり適当です。また現在だとギリシアラテン語系の言葉でさまざまな器官の呼称がありますがこれも16世紀以降になずけられたものが大半です。

とそのうち書評を纏めようかと思っていますが、この頃読んでた本でイマイチわかりにくかったのが。ヴェサリウスが仕えたのがカルロス5世とか、スペイン王でそんなのいたか?としばしなやみました。
あと「神聖ローマ帝国皇帝シャルルマーニュ」とかいう訳文があり訳注で「カール5世のことか」とか頭が痛くなります。
前者は多分Charles V という表記をそのままスペインの王の話なのでカルロスとスペイン語風にして V とあるから5世としたのでしょうが間違いです。
欧州の人名は各国ごとに同じ名前が各国風の表記、発音になります。
この場合ラテン語だとCarolus(カロルス)が各国語だと

  1. 英語    Charles チャールズ
  2. ドイツ語  Karl カール
  3. フランス語 Charles シャール
  4. スペイン語 Carlos カルロス
  5. チェコ語  Karel カレル

とかそんな感じです。歴史の本とか専門的な物になると王とかの名前は各国語のスペリングですが一般向けになると平気で自国語に直したりします。
たぶん文脈で Chales I とあればどこの王とか貴族なのかわかるからでしょうか?あるいは日本で中国や朝鮮の歴史上の人物を漢字で表記して日本風に読むのりなのでしょうか?
でそうなるとカール5世はあくまで神聖ローマ皇帝としてなのでスペイン王カルロスとなると1世です。
で、で、後者の神聖ローマ帝国皇帝シャルルマーニュは多分英語で
Holy Roman Emperor Carlemagne とか表記されていたのをよくわからず訳したかと思います。確かにカール大帝神聖ローマ帝国皇帝とは一般的に言いませんが、カール5世を大帝と呼ぶことのほうがありえないです。またこれは前後の文脈からもまずカール大帝と思われます。マーニュはラテン語だと Magnus 英語なら the great ドイツごなら der Grosseとなります。

と言うわけで、訳者の人もうちょい頑張ってもらえませんか?と本気で思うのは私だけでしょうか?