優しい煉獄 (徳間デュアル文庫)

優しい煉獄 (徳間デュアル文庫)

これは良いSF。
まずタイトルが味わい深い。
いわゆる仮想現実モノですが、特徴の一つはその仮想現実はさまざまな時代やら設定があり、主人公がおりメインの舞台となるところは昭和末期なこと。作中の現実世界は我々が住む現代よりも文明は進歩していますが、あえてネットも携帯も普及してない不便な時代がミソです。またこの手のモノでは珍しい要素なのが、仮想現実がネットゲーの様にアップデートされて、より不便になって行くこと。
出だしのコーヒーが冷める事に驚く描写が素晴らしい。この描写で、仮想現実であることや、それが作中で随時アップデートされている事がわかります。
そしてキーワードの一つの「雰囲気を壊すな。」
友人から薦められましたが、なるほどこれは面白い。あ、あんまりSFは読んでないので突っ込みはご容赦を。

評価:S